メカニカルキーを使って、無事に車内に乗り込むことができた。しかし、安堵するのも束の間、次なる壁が立ちはだかります。ブレーキを踏み、いつものように、エンジンスタートボタンを押しても、メーターパネルには「キーが見つかりません」といった、非情な警告メッセージが表示され、エンジンは、かかる気配を見せません。これは、電池が切れたキーレスキー(スマートキー)からは、車が、その存在を認識できるほどの、強い電波が、発信されていないためです。しかし、ここにも、メーカーが用意してくれた、巧妙な「裏口」が存在します。その、緊急時のエンジンのかけ方の鍵となるのが、「キー本体を、スタートボタンに、直接触れさせる」という、シンプルな行為です。スマートキーの内部には、電池がなくても、車両側のアンテナから発信される、微弱な電波に反応して、IDコードを送信することができる、特殊なICチップ(トランスポンダ)が、内蔵されています。しかし、その通信距離は、極めて短く、数センチしかありません。そこで、スマートキーの、メーカーのロゴマークが付いている側などを、エンジンスタートボタンに、物理的に、ぴたりと接触させます。そして、そのキーをボタンに押し当てたままの状態で、もう片方の足で、ブレーキペダルを、しっかりと踏み込みます。その状態で、キーごと、スタートボタンを「グッ」と押し込むのです。すると、キー内部のチップと、スタートボタン周辺に内蔵されたアンテナが、至近距離で直接通信を行い、IDコードの照合が、完了します。認証が成功すれば、警告灯が緑色に変わるなど、何らかの変化があり、エンジンが、ブルン、と目を覚ますはずです。車種によっては、スタートボタンではなく、ステアリングコラムの側面や、センターコンソールの特定の位置に、キーをかざす、あるいは、差し込むスロットが、用意されている場合もあります。
エンジンのかけ方!キーレスをボタンにタッチ