指一本で、瞬時に鍵が開くはずの指紋認証キー。しかし、時として、何度指を当てても「認証に失敗しました」と、冷たく拒絶されてしまうことがあります。最新のテクノロジーといえども、万能ではありません。では、なぜ指紋認証がうまくいかないことがあるのでしょうか。その原因と、認証精度を高めるためのコツを知っておきましょう。まず、現在の指紋認証センサーの精度は、技術の進歩により非常に高くなっています。他人を誤って本人と認識してしまう「他人受入率」は、数十万分の一から数百万分の一と、極めて低いレベルに抑えられています。一方で、本人であるにもかかわらず、認証を拒否されてしまう「本人拒否率」は、製品の性能や指の状態によって、時として発生します。認証されない最も一般的な原因は、「指の状態の変化」です。指紋認証は、指の表面にある凹凸(隆線)のパターンを読み取っています。そのため、指が極端に乾燥していたり、逆にお風呂上がりなどで濡れていたり、ふやけていたりすると、センサーが正確な指紋データを読み取れなくなります。また、ハンドクリームや油などが付着している場合も、同様に認証エラーの原因となります。指先に切り傷や、ひどい手荒れがある場合も、登録時とは指紋のパターンが変わってしまうため、認証されにくくなります。次に、「指の当て方」も、認証精度に大きく影響します。センサーに対して、指を当てる位置がずれていたり、角度が斜めになっていたり、あるいは当てる力が弱すぎたり強すぎたりすると、センサーは指紋の一部しか読み取ることができず、認証に失敗します。登録した時と同じような位置、角度、力加減で、指の腹の中心を、センサーに優しく、しかししっかりと密着させるのがコツです。認証精度を高めるためには、まず登録の段階で、できるだけ綺麗で、かつ平常な状態の指の指紋を、様々な角度から複数登録しておくことが有効です。そして、認証する際には、指を清潔で乾いた状態に保ち、正しい位置に当てることを意識する。もし、それでも認証されない場合は、一度深呼吸をして、別の指で試してみる。こうした少しの工夫で、指紋認証キーとの付き合い方は、もっとスムーズで快適になるはずです。
指紋認証キーの精度は?認証されない時の原因