サムターン回しという、巧妙な侵入の手口に、絶大な効果を発揮する防犯サムターン。しかし、これさえ付けておけば、玄関の防犯は万全だ、と考えるのは早計です。プロの空き巣は、様々な侵入方法を知っています。一つの対策を破られても、次の壁が立ちはだかる。そんな、侵入を諦めさせるための「多重防御」こそが、真に有効な防犯対策の基本です。防犯サムターンと合わせて、ぜひ実践したい、玄関周りのセキュリティ強化策をいくつかご紹介します。まず、最も基本的で、かつ重要なのが、外側の「鍵(シリンダー)の強化」です。防犯サムターンが、内側からの攻撃を防ぐ「盾」だとすれば、シリンダーは、外側からの攻撃を防ぐ「鎧」です。もし、お使いの鍵が、古いギザギザのディスクシリンダーなどであれば、ピッキングに強い「ディンプルキー」に交換することを強くお勧めします。内と外、両方の守りを固めることで、玄関の防犯レベルは飛躍的に向上します。次に、物理的な防御力をさらに高める「補助錠の設置」です。いわゆる「ワンドア・ツーロック」の実現です。主錠に加えて、もう一つ鍵を取り付けることで、侵入にかかる時間を、単純に倍以上に引き延ばすことができます。侵入者は、時間がかかることを最も嫌うため、鍵が二つあるというだけで、その家をターゲットから外す可能性が高くなります。これは、視覚的な効果も非常に大きい対策です。また、サムターン回しの手口そのものを、より困難にする対策も有効です。ドアスコープから工具を入れられるのを防ぐための「ドアスコープカバー」や、郵便受けからの侵入を防ぐための「目隠しプレート」の設置は、手軽にできる対策としてお勧めです。さらに、バールなどによるこじ開けを防ぐための「ガードプレート」を、ドアの隙間に取り付けるのも、非常に効果的です。そして、これらの物理的な対策に加えて、侵入者の「心理」に働きかける対策も組み合わせましょう。「防犯カメラ」や「センサーライト」の設置は、「見られている」という意識を犯人に与え、犯行を躊躇させる絶大な効果があります。また、「防犯ステッカー」を貼るだけでも、一定の抑止力が期待できます。防犯サムターンは、あくまで数ある防犯対策の中の、重要なピースの一つです。
防犯サムターンと合わせて行いたい玄関の防犯対策