鍵開け作業が終わり、提示された請求書を見て、愕然とする。事前の説明とはかけ離れた、信じられないほどの高額な金額。これは、悪質な鍵開け業者による、典型的な被害の瞬間です。しかし、ここで「早く帰ってほしい」という一心で、言われるがままに支払ってしまうのは、絶対にしてはいけません。その場でできる、毅然とした対処法を知っておくことが、被害を最小限に食い止めるために不可欠です。まず、最も重要なことは、「納得できない料金は、その場で支払わない」という強い意志を持つことです。一度支払ってしまうと、後から返金を求めるのは極めて困難になります。相手が高圧的な態度に出てきても、決して屈してはいけません。次に、請求された金額の内訳について、詳細な説明を求めましょう。「なぜ、広告の料金とこんなに違うのか」「この『特殊作業費』とは、具体的に何をした費用なのか」と、一つ一つの項目について、冷静に、しかしはっきりと質問します。多くの場合、悪質業者は、明確で合理的な説明をすることができません。その曖昧な返答こそが、不当な請求であることの証拠となります。相手が説明を拒んだり、威圧的な態度で支払いを強要してきたりした場合は、ためらわずに「警察を呼びます」と宣言しましょう。そして、実際に110番通報してください。警察は、民事上の料金トラブルに直接介入することはできませんが、警察官が臨場することで、相手の威圧的な行動を抑制し、その場の安全を確保することができます。また、脅迫や強要にあたるような言動があれば、それは刑事事件として扱われる可能性もあります。さらに、「消費者ホットライン(局番なしの188)」に電話するという選択肢も有効です。消費生活センターの相談員に、その場の状況を伝え、どのように対応すべきかのアドバイスを求めることができます。業者に対して、「今、消費者センターに相談しています」と伝えるだけでも、大きな牽制効果が期待できます。パニック状態の中で、一人で悪質な業者と対峙するのは、非常に困難で恐ろしいことです。しかし、あなたは一人ではありません。警察や消費者センターという、公的な第三者の力を借りる権利があることを、絶対に忘れないでください。
悪質鍵開け業者による高額請求!その場でできる対処法