鍵開けの料金をインターネットで調べてみると、その価格の幅広さに驚かされることでしょう。「880円~」という信じられないほどの安値を謳う広告がある一方で、実際の請求額は数万円になることも珍しくありません。なぜ、同じ「鍵開け」というサービスで、これほどまでに料金が違うのでしょうか。そのカラクリと、おおよその「適正価格」を知っておくことは、悪質な業者に騙されないための重要な知識となります。鍵開けの料金は、主に「基本料金」「作業料金」「出張料金」「追加料金」の四つの要素で構成されています。悪質業者が広告で安く見せているのは、このうちの「基本料金」だけであることがほとんどです。まず、「基本料金」は、いわば作業の最低料金のようなものです。そして、ここに、鍵の種類や防犯性に応じた「作業料金」が加わります。簡単なギザギザの鍵のピッキングなら安価ですが、ディンプルキーのような複雑な鍵を開けるには、高い技術が必要なため、作業料金も高くなります。さらに、業者が現場まで駆けつけるための「出張料金」もかかります。そして、問題となるのが、様々な名目で上乗せされる「追加料金」です。深夜や早朝であれば「時間外料金」、特殊な工具を使えば「特殊工具使用料」、鍵を破壊しなければ開けられないと判断されれば「破壊作業費」などが、次々と加算されていきます。では、適正な価格帯はどのくらいなのでしょうか。あくまで一般的な目安ですが、玄関の鍵開けの場合、これらの料金を全て含んだ総額で、簡単な鍵なら「一万五千円~二万五千円」、防犯性の高いディンプルキーなら「二万五千円~四万五千円」程度が、一つの相場と言えるでしょう。車のインロック開錠であれば、「一万円~二万円」程度です。もし、これらを大幅に超える金額を提示された場合は、不当に高額である可能性を疑うべきです。重要なのは、「総額でいくらかかるのか」を、作業前に必ず確認することです。内訳を明確にした見積書を提示してもらい、その金額に納得してから、正式に作業を依頼する。この手順を踏むだけで、法外な料金を請求されるリスクは、劇的に減少します。料金の仕組みを理解し、冷静に相場観を持つこと。それが、賢い消費者になるための第一歩です。
なぜ鍵開け料金はこんなに違う?適正価格を知る