指一本で鍵が開く、快適な指紋認証キー生活。しかし、その動力源である「電池」が、もし、出先で切れてしまったら?家に入れなくなるのではないか、という不安は、電子錠を使う上で誰もが抱くものです。しかし、安心してください。現在の指紋認証キー(スマートロック)は、この「電池切れ」という最大の弱点を克服するための、何重ものセーフティネットが用意されています。まず、突然電池が切れてしまう、という事態は、ほとんど起こりません。なぜなら、全ての製品に「電池残量低下の警告機能」が備わっているからです。電池の残量が一定のレベルを下回ると、本体から警告のブザー音が鳴ったり、LEDランプが点滅したりして、交換時期を知らせてくれます。スマートフォンアプリと連携しているモデルであれば、「電池残量が20%になりました。交換してください」といった通知が、スマホに直接届きます。このサインを見逃さずに、早めに電池を交換しておけば、完全な電池切れに陥ることは、まずありません。しかし、もし、警告を無視し続け、ついに電池が空になってしまったらどうなるでしょうか。その場合でも、締め出されるわけではありません。第二のセーフティネットとして、「非常用給電機能」が活躍します。多くの製品の本体下部などには、「Micro USB」や「USB Type-C」のポートが隠されています。ここに、普段スマートフォンなどの充電に使っている「モバイルバッテリー」を接続することで、一時的に指紋認証キーに電力を供給し、システムを起動させることができるのです。この機能を使えば、たとえ電池が空っぽでも、モバイルバッテリーさえ持っていれば、問題なく解錠できます。そして、電子的なトラブルに対する、最終的かつ最強のバックアップが、「物理的な鍵(エマージェンシーキー)」の存在です。多くの指紋認証キーには、万が一の故障や電池切れに備えて、従来の鍵と同じように、鍵穴に差し込んで開けられる、物理的な鍵が付属しています。この鍵をお財布の中など、常に身につけておけば、どんな電子的なトラブルが起きても、確実に家の中に入ることができます。このように、指紋認証キーは、「事前警告」「非常用給電」「物理キー」という三重の備えによって、電池切れのリスクから守られています。